2016年利尻島仙法志初ウニ旗2時間

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初ウニで活気付く

天気予報では非常に諦めムードだった今日のウニ漁。
朝には不思議なほどの凪になり、6時から8時、2時間の旗が揚がった!
祈りが通じたよ。

何せ昆布だらけでノナもウニも見えない、という前評判の中、夫はかなり頑張って採ってきた。
周りの漁師たちがすでに10日前から数回のノナ漁で海の様子を把握している。
そんな中、巻き網でスタートが遅れた夫には不利な状況だった。

6時からの旗の場合、船を出して下見に出て良いのは5時からになる。
時間になると同時に、ボートレースのように一斉に走りだす磯舟たちが圧巻だった。
良い場所を確保する、それが勝負を決めるのだから当然だ。
ねじり鉢巻をつけた途端にスイッチが入る、あの瞬間はどんなヤサ男でもやはり格好良く見える。
男のロマン、とはこういうものなのかもしれない。

場所取りがいかに壮絶なものか、私にはよくわからないけれど、資源保護を考えて毎年禁漁区を決められている中ではかなりの競争率だろう。
磯舟同士がぶつかりそうになるくらい、密集している光景も見かける。
昔は本当にどこにでも転がっていたというウニは、今や探し廻らなければ見つけられないのだ。
私もハラハラしながら、初漁のウニ小屋や浜の段取りに追われ、あっという間に8時になった。
覗き込んだ磯舟の中に、予想より遥かに多いウニを見つけて、ホッと胸をなでおろした。
正直、「1㎏採れるかしら?」と心配していたもので。

「チャリで来た」くん、バフンウニに笑いがこみ上げる

昨日遊びに来てくれた「チャリで来た」君は、最後のチャンスを見事にものにした。
朝、「旗が揚がったよ!」と電話した時には、すでにキャンプ場で放送を聞いていたらしい。
今日は沓形でも揚がっていたのでちょうど聞こえたのだろう。
小屋でのウニ剥きを手伝いに来てくれた。
初めてのバフンウニ、5日も待った甲斐があったよね、味見したらこうつぶやいた。

「笑いがこみ上げてきますね」

そうなんだよね、本当においしいものを食べた時って、笑いがこみ上げてくる。
もはや言葉で表現できる範囲を超えるとこうなる。
以前、親戚に送った時も同じことを言っていた。
「笑いが止まらなくなりました」ってね。

一生懸命写真を撮りながら、ウニに喜ぶその姿が嬉しかったなあ。
よかった、島を出るという最終日に食べてもらえて!

まとめ

利尻のウニは、理屈じゃない。
そのおいしさを、言葉では表現できない。
加工されたり、調理されたものではなく、そのままでおいしいものというのはそんなものだ。
文字通り、言葉を失う。
味覚に理屈は通用しないのだ、体は正直。

利尻に来たのなら、絶対に食べなくちゃダメだよ。

死ぬまでに一度は、食べなくちゃダメだよ。

そのくらい、価値がある。

漁師たちの影の活躍に思いを馳せながら味わえば、より一層美味しく感じるはずだ。
「ご馳走」の語源は、走り回って集めたものを振る舞うことだということを、心の底から体感できる。
簡単に手に入るものではないからこそ、人々に感動を与えるのだろう。

まだ、トップシーズンではなく、これからどんどんおいしくなってくる。
「どうしても食べさせてあげたい」と思っていた今日ほど、海の神様に感謝した日はない。

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