2016年利尻島仙法志 天然昆布解禁

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2016年第一回天然昆布漁

昨日の天気予報では旗が揚がるかどうかかなり微妙だったが、少々強引ながらも天然昆布の解禁となった。
夫は早朝3時から準備がてら浜に。
「それは深夜だ!」と思うのは都会人、ここではもううっすらと明るくなっている。
利尻では日の出が早く日の入りが遅い。
この時期は夜も8時くらいまで明るいほどで、サマータイムが導入されてもおかしくはない。
関東にいた頃との時差を感じるのは、やはり夏だ。
とにかく皆早起き。

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夫が4時に船を出し、5時からの昆布漁に出ている間、私はお弁当を準備して、出面さんを迎えに行く。
利尻では、漁を手伝ってくれる人たちのことを、出面さん(でめんさん)と呼ぶ。
一般的にはアルバイト、パートをする人たちのこと。
採った昆布を干し、午後に取り込むという作業は、人数が勝負。

昆布漁ではどこも人出が足りない。
この時期は本気で猫の手でも借りたいのだ。
だからこそ、空前の売り手市場。
賃金だけでなく、プラスアルファの部分が出面さんをつなぎとめる大切な要素なのだ。
だから、ふらりとお手伝いに寄ってくれる人のことも予測してお弁当は多めに作ることにした。
横須賀名物、のりだんだん!
もはや、お弁当屋でもできそうな勢い。
果たして自分が何者なのかわからなくなってくるほどだ。

決して一人ではどうすることもできないのが昆布漁。
家族総出が当たり前。
仙法志の小学校では、昆布の旗が揚がると登校時間を遅らせるという、驚くべき時代錯誤ぶり。
義務教育でこんなことがまかり通っているのは、やはり利尻が治外法権だからではないかと思われる。
島内でも仙法志地区だけにこの風習が残されているのは、どこよりも多く昆布が採れるからなのだろうか。
とにもかくにも、初日は特に大騒ぎになる。

昆布漁の楽しさ

股関節を患う身での昆布漁、今までは苦痛でしかなかった。
足場の悪い浜を歩くこともできない、昆布を干すためにしゃがむこともつらい。
今の私には最もふさわしくない仕事だった。

ところが、今年は出面さんたちが集まってくれたおかげで、ようやく昆布漁の楽しさを垣間見た。
私ができないことを代わりにやってくれる人たちがいてくれることが、こんなにまで幸福なことだったとは!
私よりもよっぽど慣れているので、どんどん作業が進んで行く。

本当に助かった。
今までの苦労が嘘のようだった。
ロクに歩けない私を、みんながフォローしてくれた。
こういう助け合いの精神に触れ合えることも、昆布漁の楽しさなのかもしれない、と思った。
今まで、ただただ苦痛で、嫌で仕方なかった昆布が、はじめて愛しく思えてきた。
こんな心境の変化に出会えるなんて、想像もしなかったなあ・・・
みなさん、本当にありがとう!

今後の見通し

おそらく、この土日は昆布の旗があがるだろう。
夫の感触では、今年の昆布は多すぎて、身が重たくならないようだということだ。
あまりにも密集しているものに太陽の光が届かないことは、農作物と一緒。
数が多ければいいってもんじゃないってことだね。
同じ枚数を採っても、出荷は重量で決まることを思えば、誰だって重たい昆布が欲しいのだ。
そういう意味では、まだ時期が少し早めなせいもあってなんとも難しいところ。
ただ、量だけは採りきれないほどあるということなので、これから何回旗が揚がるかが勝負どころかな。
最後まで完走できるよう、頑張っていこう!

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