2016年利尻島仙法志バフンウニ解禁!

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バフンウニ解禁の現実

待ちに待ったバフンウニ漁が、昨日6月15日に解禁になった。
しかしながら、残念なことに天気に恵まれず、昨日に引き続き、今日も旗は上がらなかった。
小さい磯舟で採取する利尻のウニ漁は、凪の日にしかできない。
理論上の解禁と事実上の解禁はこうやって食い違っていく。
いくら「獲ってもいいですよ」ということになっても、海が荒れていてはどうすることもできないのだ。

明日も予報ではあまり芳しくない状況なので、今年は厳しい出発点になりそう。
バフンウニ漁は、せいぜい8月中旬くらいまでしかないため、海が荒れる日が続くともどかしくなる。
でも努力でどうにかできることではないので、ただ待つのみ。
漁師には忍耐力が必要だ。

旗揚げについて

ウニ漁と一口に言っても、地域によってルールは違ってくる。
ここ利尻島でのウニ漁は、キタムラサキウニ(通称ノナ)とバフンウニ(通称ガンゼ、ウニ)の二種類のウニを採取する。
しかし漁師が好きなものをとって良いわけではなく、決められた時間内に決められたノナかウニのどちらか一方をを採取する、というシステムだ。

島には鴛泊、沓形、仙法志、鬼脇と、4つの漁場があり、その漁場ごとにその日に採るウニを決める。
海の様子と市場の様子を考慮して、どちらのウニを採るかを決める人物が「旗揚げ」と呼ばれている。
この旗揚げがその日の漁を決定すると、漁業組合から防災無線を通して放送が流れてくるのだ。

「今日は6時から8時の2時間、ノナを採取してください」

放送はそんな感じだ。
島で「旗が上がる」というのは、そういう意味。
この放送がすべての合図になっていて、ウニ剥きの手伝いのご婦人たちも一斉に動き出す。

ウニ漁師の資質

漁はまさにタイムレース。
公平な条件のもとで、決められた時間内にどれだけ採れるかが勝負の要。
たまたまたくさんいる場所にあたる人もあれば、どこをうろつき回っても当たらない人もいる。
運と感性、それが最も大切な要素だろう。
私が思うに、腕、というよりは運と感性だ。
素早く動き回るものを採るわけではないので、まずはいかにウニを見つけることができるかというのも大切。
それには視力も当然関係してくるが、本当の名人クラスになると、感覚で「観る」感じになるらしい。
昆布や海草だらけの利尻の海。
そんな中でウニという物体が目では見えなくても、どこにウニがいるのかがわかるようになるのだという。
どの世界にも必ず、こんな域に達した名人がいるものだ。

まとめ

キタムラサキウニの解禁に続き、バフンウニも解禁となり、いよいよトップシーズンを迎えようとしている利尻。
これからどんどん養殖昆布や天然昆布と、短い期間に活気付いてくる。
ウニは潜って採るもの、という勘違いをしている観光客の方はとても多いが、現実はこんな形で漁が行われている、ということをわかってもらえると嬉しい。
漁師たちの奮闘が、少しでも伝わりますように。

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