過渡期の富士温泉病院
入院二日目。
このあたりでほぼ、お馴染みのみなさんとは自然と会えるようになってくる。
今回もそんな感じで、懐かしい面々に暖かく迎えられていることに感謝。
リハビリの先生がたも変わりなく、ずっと同じ担当でいてくれているし、私は本当にラッキーだなあ、と思う。
ただ、昨日から感じていた病院の体制の変化は、思っていたよりもかなり大きなものだったようで、いろいろと新しい情報も入ってきた。
国の方針やら何やらもからみ、かなり複雑な過渡期を迎えている様子。
ここ、富士温泉病院もリハビリだけでなく、救急の受け入れなども視野に入れて動いているとのこと。
ずっとリハビリでお世話になってきた私としては、なんとか頑張ってリハビリだけは維持していってもらいたい。
そうでないと、路頭に迷ってしまう股関節患者が増えてしまうもんね。
いろいろな改革が行われている中、股関節患者にとってのひとつの朗報がこれ。
ローズガーデン付きのノルディックウォーキングコースを作っているんだって。
病院敷地の隣にあった畑を買い取り、工事を進めている。
ちょうど私が入院している、B棟の洗面所からこの全体像がよく見える。
完成までそんなにかからなそうだけど、いささか今回の私の入院中には難しそうで残念。
どんな風に変わっていくのか、見守っていきたい気持ちになるところが、今時稀有な存在である、慢性期リハビリ病院の魅力なのかもしれない。
ルールは守ろう
入院早々、衝撃的な事件があった。
今までは結構病院内のルールが甘い感じだった富士温泉病院、今日は強制退院を言い渡された患者さんがいた。
肺の病気で入院していた人だけれど、禁煙の指導がどうしても守れず、喫煙所でいっぷくしていたところを看護師さんに見られ、主治医から月曜日の強制退院を言い渡されたとのこと。
今までにない、かなり厳しいお達しだけれど、病院側からしたら当然の処置であり、いたって普通のこと。
ところが過去にわがまま患者がはびこっていたこともあり、今まで甘くみられていたこの病院が、こうして少しづつ患者を選び始めているようで良いことだ。
今時はあちこちの病院で「モンスター患者お断り」なんて張り紙を見かけることも珍しくはなくなっている。
風の噂では、強制退院どころか、入院拒否を言い渡された患者さんもいると聞いた。
もう、好き勝手ばかり言っているモンスター患者は入院できない。
当たり前のことだけど、ルールは守ろうね。
人工股関節手術の可否
さて、ここの患者同士の間でも話題に上がる頻度が最も高い、人工股関節手術の可否について。
私の場合は手術前に矢野先生に相談し、今回も暖かく受け入れていただいたけれど、連絡しないで手術に踏み切り、その後でリハビリを頼んだらいったん断られた、という患者さんに会った。
確かに、痛くて我慢できなかっただとか、その他諸々、患者側に言い分はあるだろう。
でも、保存療法と手術は対極にあるものという大前提を忘れてはいないか?
選択の自由は自分にあれど、ご都合主義でいいとこ取り、ってのはどこか納得できぬ。
どんな理由で手術に踏み切ろうとも、この先リハビリはここでお世話になりたいと思うのであれば、やはり事前に相談するのは人としての礼儀ではなかろうか。
そこをすっとばして、入院を断られた、とか冷たくされたとか言うのは、私には理解できない。
自分の落ち度を棚に上げ、病院の悪口に走る姿は、あさましいことこの上ない行為だと思う。
そうでなければ、一生懸命保存しようと頑張ってくれていた矢野先生始めリハビリの先生方にも申し訳が立たない。
いきなり事後報告で「切ってきました」なんて、頭にくるでしょ、普通。
実際、矢野先生から手術を勧められた患者さんもいるのだ、誰にでもむやみやたらに「切るな」と言っているわけでない。
手術したら診てもらえなくなる、という噂の元は、こうして礼儀のない人を断っていただけなのだろうと思った。
自分の選択肢が、他人に与える影響を考えなければいけないね。
まとめ
こうしていろいろな人と会い、島では受けられない刺激を受け、やはりなんだかんだで入院を楽しんでいる私。
本来の目的はリハビリなのだけれど、ここでは人間関係の勉強というオマケ部分の魅力が大きい。
自分を試されるかのような人たちに、次々と出会っていけるおもしろさ。
どんな人を好きになり、どんな人を苦手と思うのか、それを冷静に見つめると、自分が見えてくる。
生き方を変えようとと頑張っている私と、体制を変えようと頑張っているこの病院とが見事にシンクロして、楽しみは倍増だ。
病院が変われば患者が変わる。
今、その光景を目の当たりにしている奇跡に感謝。
コメント
初めまして。両変股症で一度のリハビリ入院をはさみ2年9か月程、月2回の頻度で富士温泉病院へ通院しています。私は股関節が痛むというよりは(幼少期のぺルテス病)脚長差による歩行の関連痛が強く、このまま保存か手術かと・・・矢野先生に相談してみようか・・・悩んでいます。患者一人ひとりに向き合ってくださる病院は他にはないと思っています。私もどちらの選択にしろ、利尻なうさんと同じく富士温泉病院を原点に考えています。これまで悩んでいた事に前向きになれそうです。矢野先生に相談してみます。充実した入院生活をおくられますように願っております。貴重なお話しをありがとうございました。
かづ代さま
コメントありがとうございました。歩行の関連痛ということだと、通院も大変ですね。
遠慮なく正直に相談してみてください!矢野先生は筋を通せばわかってくださるはずです。
どちらの選択をするにせよ、自分の気持ちの整理が第一ですものね。
私の場合、人工股関節の手術時に、脚長差も調整していただいていたようで、術後は長さが揃っていました。
事前にそこまでの説明はなかったので、思わぬオマケが嬉しかったです。
かづ代さんが後悔のない選択ができますようにお祈りします。
ここ数か月、悩んでいました。初診時以来、熱心に、親切な指導をして下さる先生はじめスタッフの皆様に感謝しつつ、(手術によって脚長差が少しでも解消し、そのうえでリハビリを頑張れば…自身の勝手な判断です)矢野先生に相談してみようとの思いに。その結果、不快な思いにさせてしまうのではと?何の相談もなしに他の病院を受診する事だけは絶対にしてはならないと思っていたのですが、誰にも相談できずにいたのです。kkiyomiさまのブログに出会う事ができ、本当にラッキーでした。自身の思いを先生に相談する勇気を与えて下さいました。本当にありがとうございました。
かづ代さま
こちらこそ励まされます、どうもありがとうございます!
皆さんの想いをしっかり受け止めたからこそ、言い出すことを悩まれたのですね。
その義理がたさはきっと自然と伝わりますよ。
良い方向に向くといいですね!
頑張ってください!