怒涛の天然昆布漁

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おそろしいほどのやませ続き

ここ数日、仙法志地区では大歓迎の「やませの風」が続いている。

やませ(山背)とは、春から秋に、オホーツク海気団より吹く冷たく湿った北東風または東風(こち)のこと。特に梅雨明け後に吹く冷気を言うことが多い。 やませは、北海道・東北地方・関東地方の太平洋側に吹き付け、海上と沿岸付近、海に面した平野に濃霧を発生させる。やませが長く吹くと冷害の原因となる。なお、オホーツク海気団と太平洋高気圧がせめぎあって発生する梅雨が遷延しても冷害となる。

情報源: やませ – Wikipedia

一般的には恐れられている風のようだが、ここ仙法志地区は冷害ならぬ例外らしい。
この風になれば凪&晴れ確定と、まことしやかに伝えられている。
こうなると島の反対側では悪天候となるのが普通。
鴛泊地区では荒れ模様で、なかなか旗が揚がらない。
こんな小さな島でも、車で15分走れば体感温度は10度は変わる、そんな風がやませなのだ。
とにかくこのやませのおかげで、11日から何かしら旗が揚がりっぱなしという異常事態。

快調にスタートを切っていた昆布漁、もう今日で4回目の旗が揚がった。
こうなると、もはやウニもノナもそっちのけ。
仙法志の旗揚げは、とにかく昆布好き。
昨日だけは予報に用心していたようでウニの旗が揚がったが、今日はもはや気象庁すら無視。
予報では雨と言われていたのに、やませおそろしや。
なんとか好天に恵まれ、昆布も無事に乾いた。

容赦なく奪いとられる体力気力

昆布漁は晴天で行われるため、炎天下での作業が強いられる。
朝はまだいい、昆布干しが始まるのは5時半頃からだから。
しかし、午後集めに行く時にはただならぬ炎天下となる。

IMG_0593
風は涼しくとも、紫外線の強い利尻。
この時期の気候はハワイにそっくりだ。
気温だけみれば、20℃ほどで単純に涼しいと思いがちだが、そうではない。
確かに日陰にいれば涼しいが、直射日光の下では皮膚が痛みを感じるほどになる。
過酷な作業で、体力は容赦なく奪われ、帰ってくる頃には気力も尽きてしまう。
忙しさと疲れで、気の休まる暇がない。
今年の昆布漁は、あまりにもスタートから激しすぎる。
このやませがいつまで続くのか、今から恐ろしくなってくるよ。
昆布はまだまだたくさんある。
いったい何回旗が揚がるのか、気が遠くなってきた。

連日旗が揚がってしまえば、昆布のストックは増え続ける。
だからと言って、作る暇もない。
溢れかえった昆布を前に、呆然とするばかり。

まとめ

利尻でこんなにも昆布が揚がるのは、例年仙法志地区だけだ。
組合の予想では、一人あたり平均50駄を出荷するとみている。
昆布の梱包単位は、1駄で15キロ。
となると、単純計算でも我が家では、750キロの昆布を二人で切らなければならないということになるのだ。
悪夢のように昆布を作った一昨年が810キロ。
やばいことになりそうな予感がしてきた。
7月からこんなに昆布の旗が揚がったことはない。
もちろん、そうそうやませが続くとも思えないのだが、今は終わりの見えない連チャン昆布に振り回される日々。
なんとか頑張ってブログを更新したいのだけれど、気力がもたないことをどうかご理解いただきますように。

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