入院生活も、残すところあと1週間。
夕食後に耳栓で、なんとかこうしてブログが書けている。
相変わらず、この時間は最も騒がしい。
昼間は皆リハビリで忙しいため、部屋にいない人が多いし、そもそも私自身がそんなに部屋にいる時間がない。
この時間が魔の時間、ようやく理解した。
カレーから学ぶ
今日のお昼、待ちに待ったカレーだった。
一瞬、「おっ!ずいぶん大きな肉の塊だ!」と喜んだけど、それはナス(笑)
でも、カレーはおいしい。
素直にそう思える。
糖尿食になって以来、パサパサチキンからは解放され、十分な妥協ラインにまでなっていたところに、嬉しいカレーだった。
食に関しては、ずいぶん満腹中枢が回復してきたらしく、異常なまでの空腹感に襲われることはなくなった。
きちんとしたものを食べてさえいれば、痩せなくとも太らない。
一番の元凶はスナック菓子と糖分の大量摂取だったのだから、しばらくはそれだけでも排除していくことで体質はかなり変化するだろう。
今日のカレーを満足して食べられて、少し自分に自信がついた。
無理なく健康になる道を進んでいけるようにね。
自分の道を行く
今回、私は今までになく保身に走っている。
人間関係にひたすら用心深くなっていることが、自分でも不思議なほどだ。
ほとんどの人は、挨拶だけで身かわしの術。
今回はなぜこんなにも、人と関わりたくないのか。
昨日までは私の苦手なタイプの「オバサン」が増殖したのだと思い込んでいたが、患者さんの質が変わったのではない、私が変わったのだと気付いた。
切ろうかどうしようか、常に迷っていた世界から、一歩足を踏み出したことで、見える景色が変わったということなのだ。
だから、居心地が悪くなった。
股関節患者さんたちは、無意識のうちにみんながどうしているか、常に情報収集しながら自分の道を模索している。
思い返せば私も以前はそうだった。
でも、手術を受けた今の私は、誰からの情報も必要としていないし、自分の中に迷いがない。
だから浮いた存在になるのだと思う。
やはり、卒業の時期がやってきたと受け止めた。
自分で気付かぬうちに、私はもう、迷い子ではなくなっていたのだ。
左脚の温存は、リハビリよりもまず、体重を落とすこと。
私の場合はそれが最大の効果を発揮する。
それでもだめなら切るしかない、とどのつまり、これが私の結論だ。
石部先生の手術を受ける前、1週間のリハビリで退院ということに不安を覚えて、こう質問した。
「退院後に、どこかに転院してリハビリを受けた方がいいですか?」と。
その時、石部先生はこう答えてくれた。
「病院でのリハビリは必要ありません、自分で筋トレを続けてください。」
社会復帰こそが一番のリハビリなのだと考えられている。
いつまでも入院する必要はない、という説明だった。
実際、手術を受けた患者さんたちは、そのまま当たり前のように社会復帰を果たしている。
恐るるに足らん、ということだ。
自信を持って手術をし続ける石部先生は、悩む時間より生きる時間を大切にしている、そんな気がする。
両極の世界を見てから古巣のリハビリ病院に帰って来て、ようやく見えた世界。
リハビリは無駄ではない、確かに効果はある。
でも、それよりもまず、自分の生活スタイルの見直しを徹底することだ。
自己治癒能力を上げることができるのは、世界でただ1人、自分だけなのだから。
今日はね、そう思えた自分がなんだか愛しいよ。