変形性股関節症の治療に関して思うこと

シェアする

スポンサーリンク

パサパサチキンにノックアウトされる

昨日までは、諦めるつもりだった。
おとなしく受け入れるつもりだった。
だが、今日のお昼もパサパサチキンが出て来た日には・・・私にいったいどうしろと?
喧嘩売ってんのか?

朝:しそこんぶ、豆腐の煮物、大根おろし、ごはん、味噌汁。

昼:しょぼいサラダ、味なしひじき、毎度おなじみパサパサチキンケチャップがけ、ごはん、牛乳。

夜:里芋の酢味噌がけ、すえた味のなっぱ、固くてしょっぱい豚肉、さらになっぱ添え、ゆかりごはん。

もうだめだ、完全に心をやられてしまった。
2日の間に、形も切り方も同じパサパサチキンが3回も。
それでもお腹はすくものだから、食べなければならない自分が惨めに思えた。
昼食後、証拠写真を手に、看護師室に直訴。
栄養士さんと相談させて欲しいと申し入れをして来た。
しかし、今日はお休みだということだったので、面談は明日以降になる。
言うだけ無駄かもしれないけれど、せめてこの極端な脂質制限だけは勘弁していただけないかと交渉するつもり。
味付けやらカロリーやらに文句は言わない。
ただ、心が病むような食事だけは、どうしても無理だ。
本来、楽しみのはずの食事が苦痛になるなんて、病院としてどう考えているのかを聞いてみる。

リハビリ進行状況

さて、パサパサチキンはひとまず置いておこう。
肝心のリハビリの進行状況は、風間先生や根津先生と日々相談しながら順調に進んでいる。
入院前には気づかなかった、「朝、起きたての時は動きが悪い」ということを発見できた。
しばらく動けば調子よくなってくるのだ。
これは、老化現象のひとつかもしれない。

筋肉はかなりあちこちが固まっていたようで、ほぐされる時の痛みがすごい。
今までのリハビリ入院では感じたことのない異質な痛み。
これは、手術をしたことにより、今まで使われていなかった筋肉が使われるようになったためなのだろうか?
原因はわからないけれど、少しずつほぐしていただけるのは、本当にありがたい。
手術前と後では、いろいろなところに変化が出てくるのだと実感している。

今回は長い期間を予定していない私の都合に合わせて、先生方も内容を調整してくれている。
4年かけて築き上げた信頼関係が実を結び始め、息が合ってきたことが嬉しい。
受ける側の態度によって、先生方の施術も変わるということを学んできた。
「この日までに仕上げるぞ!」という目標設定は、ここでは大切なことだからね。
ずるずるやるのと日にちを決めるのとでは、絶対に効果は違ってくる。
今回の仕上がりも、とても楽しみだよ。

リハビリにも種類がある

そもそも、手術後のリハビリと、温存のためのリハビリは、名前が同じでも全く質の違うものだった。
富士温泉病院で行なっている、温存のためのリハビリは、目指すところが「ほぐす」ということ。
身体のバランスを整えていくことに重きを置き、痛みがある部位には決して無理をかけない。
簡単に言えば、受けていて気持ち良い、と感じるマッサージのようなリハビリだ。

逆に、手術後に私が札幌外科記念病院で受けたリハビリは、「鍛える」ということを目指していた。
人工股関節を自分のものとするために、自分の力で筋肉を鍛え上げていく。
触ってほぐしてもらう、という時間は少なく、トレーニングの指導をしてもらう感じだ。
痛いと騒いでも許してはくれない、それを乗り越えて頑張れと励まされる。
簡単に言えば、痛くてもやれ、というスパルタ的なリハビリだ。

この、似て非なるもの。
一口にリハビリといっても、同じ股関節をターゲットにしていても、アプローチは全く違う。
温存療法と手術が対極にある、という現実は、こういうところにも現れてくるのだ。
凝り固まった概念だけでは、温存から手術へと踏み切った時に驚いてしまうことだろう。

この世界、想像以上に奥が深い。
その両方を体感できた私は、どんなにラッキーなんだろう。
相変わらず、どちらが正しいか、という話ではない。
ただ、この「違い」というものをしっかりと認識すること。
その上で、自分の股関節と付き合っていくことが大切なことだと思う。
温存も手術も、どちらも変形性股関節症の治療なのだから。

スポンサーリンク