札幌刃物研ぎ「宮文」の美しい仕事ぶりに感動した

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生まれ変わった包丁たち

利尻に来て以来、ずっと自分で済ませていた刃物研ぎ。
なんとか使えてはいたものの、出番の増えた出刃包丁の痛みは特に激しく、ようやく今回研ぎに持って行った。

札幌狸小路に本店を構える、包丁・刃物専門店宮文
持って行ったのは、包丁三本と、昆布切り鋏一丁。
滞在中に仕上がるか心配だったが、一晩の預かりで仕上げてくれた。

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木屋の万能包丁、鎌倉菊一の菜切包丁、木屋の出刃包丁。
いずれも嫁入り時に持ってきた宝物が、物の見事に美しく蘇った!
キラキラした輝きに見とれてしまう。

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特に、この出刃包丁の仕上げ方!
完璧すぎて涙が出そうだ。
まるで鏡のごとく、ピカピカに磨き上げられている。
横浜にいた頃に何度か他の研ぎ屋さんにもお世話になったことはあるが、こんなに美しい仕事ぶりを初めて見た。

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添えられていたカードにもまた感動。
誰が研いでくれたものなのかを明らかにしてくれているからこそ、次はご指名できる。
素晴らしきかな、日本の心!

昆布切り鋏という芸術品

そしてそして、何よりも特筆すべきはこれだ。
昆布切り鋏!

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写真ではわからないが、この鋏は普通の裁ちばさみと違って、刃が湾曲している。
昆布の端っこを外側に向けて切るための工夫が施された、特殊な鋏。
そのため研げるお店も限られているが、ここ宮文では昆布切り鋏を売っていることもあって、問題なく受け付けてくれた。
去年はこれでずいぶん指を切ってしまった。
切れない鋏は指を切る。
長年使われてきた頂き物なので、今年こそ生き返らせたくて研ぎに出して大正解。
もうね、全くの別物に生まれ変わってきたよ。
切れ味最高!文句なし!
これはもう、芸術レベルだ。

この感動をあなたに

何を隠そう、私は昔から刃物に目がない。
刃物だけでなく、美しく作られた手仕事用の「道具」に萌える。
そこに宿る職人の心意気、脈々と引き継がれてきた伝統を感じるたびに、熱いものがこみ上げてくる。
(基本、そういうところは男っぽい)
今回も、研ぎに出したにもかかわらず、お店に並べられた昆布切り鋏を買いたくてうずうずしてしまったほどだ。
店内には私の心をくすぐる商品が多すぎて困っちゃったよ。
ただ、ホンモノの刃物は一生ものだ、そうそうたくさん買えるわけではない。
だからこそ、大切に使いたい。
日本人のmottainaiの精神だ。
今は外国人もお土産に買っていくことも多い、日本の刃物。
台所で雑に扱われている包丁があったなら、ぜひこの機会に助けてあげてほしい。

今回、宮文での研ぎの代金は、包丁一本800円、昆布切り鋏が1300円。
それでここまでの仕事をしてくれるとは、安すぎる。
道内限定だけど、研ぎは宅配でも受け付けてくれるそうだ。
家庭であれこれいじくりまわしておかしくしてしまう前に、とにかく宮文に持って行くべし!
美しい日本の心に出逢えること請け合い。

関東ならば、言わずと知れた日本橋木屋(お値段は高い)、そして鎌倉の菊一も安心して研ぎを任せられる。
ぜひとも、こういう感動を味わってみてほしい。

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